花粉症・花粉皮膚炎

花粉症・花粉皮膚炎の症状・治療方針について

症状が出ていない時期から、初期療法として予防をスタートしましょう

花粉

当院では、毎年、花粉症の症状にお悩みの方、くしゃみ、鼻水、目のかゆみや、 花粉による肌の赤みやかゆみといった肌トラブルなどの症状の出る方に、症状に合わせたお薬(内服薬、点鼻薬、点眼薬)、漢方薬の処方や、ノイロトロピン注射による治療、アレルギー検査を行っています。

花粉症は、スギ、ヒノキ、シラカンバ、ハンノキ、ヨモギなどの植物の花粉が、鼻や目の粘膜に触れることによって、発作性のくしゃみ、鼻水、鼻づまりや目のかゆみなどの一連のアレルギー症状を起こします。花粉症の原因となる花粉は、植物により飛散時期が異なり、1年中飛散しています。その中でも日本ではスギが多く、花粉症の約70%がスギ花粉症と言われています。関東エリアは、季節を問わず、いつまでも花粉が飛散し、花粉の種類もかなり多いと言われ、春先にピークがくるスギやヒノキ科だけではなく、秋のブタクサ属をはじめ草本花粉の時期も長いのです。症状は、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりといった鼻の症状と目のかゆみ、充血といった目の症状が一般的によく知られています。

花粉症治療には、症状が出る前から治療を始める初期療法、症状が強くなってからの導入療法、よくなった症状を維持する維持療法があります。花粉飛散前の症状が出ていない時期から、初期療法として予防をスタートすることが大切です。

目安として花粉飛散開始日より2週間前から治療を始めるのが一般的です。花粉が飛びはじめる時期に先がけて、症状が出る前に抗アレルギー薬の内服薬や、点眼薬、点鼻薬により予防することで、症状がコントロールしやすくなります。毎年、花粉飛散予測が天気予報などで発表されますが、飛散開始日とは、一測定点で、1月以降にスライドグラスの1平方センチメートル内にスギ花粉が1個以上捕集される日が、原則として2日以上続いた最初の日とされています。つまり、飛散開始日より前から花粉は飛び始めていますので、毎年花粉症に悩まされている方には、この初期治療をおすすめします。また、初期療法により症状が軽くなったからといって、花粉シーズン途中でお薬をやめてしまうと症状がひどくなることがあります。早めの受診でシーズン中の治療計画を立て、花粉シーズン中は服用し続けることが大切です。

花粉皮膚炎について

花粉症の時期にのみ、肌に「花粉皮膚炎」の症状が見られることがあります。これは、くしゃみ・鼻水といった一般的な症状の有無に関わらず、花粉の時期にのみ、肌の赤みやかゆみといった肌トラブルが生じるものです。「春先は毎年お肌の調子が悪い」と感じている方は、実は花粉が原因なのかもしれません。花粉が露出している首や顔を中心に直接付着することで、かゆみや湿疹、乾燥、ヒリヒリした痛みなどの症状がみられます。花粉症と同じく、花粉飛散開始2週間前から花粉症の治療を始める「初期療法」が、花粉症皮膚炎にも効果的とされています。

お薬による治療

当院では、内服薬、点眼薬、点鼻薬の処方を行います。抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬を主体とした内服薬と、症状によっては点眼薬や点鼻薬を併用します。抗ヒスタミン薬は、副作用として眠くなることが多くありましたが、最近ではあまり眠くならない薬も出てきています。また、薬の服用は、症状が強くなる前に初期治療を始める方が、症状の悪化を抑制するケースが多く見られます。

内服薬・点眼薬・点鼻薬・漢方薬

花粉症に使用する内服薬例

アレグラ、クラリチン、アレロック、エバステル、ジルテック、ザイザル、ディレグラなど

鼻症状が強い場合

内服薬例に加えて、点鼻薬を使用します。直接鼻の粘膜に作用し、症状を和らげます。また点鼻薬なので眠気はありません。鼻閉が強い場合は「ディレグラ」というアレルギー剤がおすすめです。

目の症状が強い場合

目のかゆみが強い時は、点眼薬を使用します。当院では、コンタクトレンズ装着時でも使用できる点眼薬「アレジオン点眼液」の処方も行います。

花粉皮膚炎(肌トラブル)の症状がある場合

花粉によるお肌のトラブルがある場合は、外用薬・アレルギー剤を内服薬と併用します。治療と平行して、皮膚を傷つけないように洗顔し、保湿剤などでトラブルを起こした角質を保護するスキンケアを行うことで、悪化を防ぎ、治癒を早める効果が期待できます。毎年、花粉皮膚炎の症状にお困りの方は、症状が出る前に早めに受診しましょう。

漢方薬による治療

一般的な抗アレルギー剤の内服、点鼻薬、点眼薬での治りの悪い方の中には、漢方薬を併用することによって症状がかなり改善する方もいらっしゃいます。当院では、鼻・目・喉・肌など多岐にわたる花粉症の症状を、保険適用の漢方薬での治療を進めることが可能です。一般的なお薬(内服、点鼻薬、点眼薬)での治療に漢方薬を組み合わせることはもちろん、漢方薬でのみでの治療をご希望の方も、お気軽にご相談ください。

注射による治療

ノイロトロピン注射

ノイロトロピンは、花粉症の諸症状を引き起こす神経機構に働きかけ、くしゃみや鼻水、鼻の違和感、眼球のかゆみなどの幅広い症状を鎮静化する効果があります。また、花粉症などのアレルギーによるものだけではなく、湿疹・蕁麻疹をはじめとする各種の皮膚疾患によるかゆみにも効果があるため、原因が判らない皮膚のかゆみにも安心して使用できます。

ノイロトロピン注射は、化学合成によらずに作り上げられた注射液であり非常にナチュラルなもので、副作用はほとんど無く、依存性もありません。また、各種の消炎鎮痛剤や抗アレルギー剤などの花粉症の薬、ビタミン剤などの注射薬と併用しても、効果を打ち消しあう事もないため、他の薬との併用も問題ありません。当院では体に負担が少ないノイロトロピン注射による治療をおすすめしています。

※健康保険の適用の注射薬で、飲み薬との併用が可能です。ノイロトロピン注射単独での治療ではなく、他の抗アレルギー剤や漢方薬の効果を上げるための補助療法としての位置づけとなります。

注射の回数は、大人は1クール週2回×5週で10回が目安となります。効果を見ながら適宜クール追加を行います。(対象は成人の方です。妊娠中の方はお控えください。詳しくは診療にてご相談ください。)

アレルギー検査/View39・ビュー39(保険適用)

『View39』は、以下の39種類のアレルゲンについて検査ができます。問診や臨床所見から原因推定が難しい患者様、アトピー性皮膚炎、花粉、食物アレルギー症候群が疑われる場合の検査として有用です。(保険適用が可能)

View39で調べられるアレルゲン

吸入系
室内塵 ハウスダスト1
ダニ ヤケヒョウヒダニ★
樹木花粉 スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ
イネ科花粉 カモガヤ、オオアワガエリ
雑草花粉 ブタクサ、ヨモギ
動物上皮 ネコ皮屑、イヌ皮屑
真菌(カビ) カンジダ、アスペルギルス、
アルテルナリア、マラセチア
昆虫 ゴキブリ★、ガ★
その他 ラテックス
食餌系
甲殻類 エビ、カニ
牛乳・卵 ミルク、卵白、オボムコイド
豆・穀・種実類 大豆、小麦、米、ソバ、ピーナッツ、ゴマ
果物 リンゴ★、キウイ、バナナ
魚・肉類 サバ★、サケ、マグロ、牛肉、鶏肉、豚肉

★・・・MAST-36とView-39の重複しない項目です。

その他の当院で実施できる検査については、「実施できる検査」をご覧ください。

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