長時間のPC使用の際の前腕のかゆみや、日常生活での「C字座り」にご注意~慢性湿疹の原因かも
PCやスマートフォンを使っていると、肘から手首までの前腕部分にかゆみを感じたり、硬く凝ったような感覚を覚えたりしたことはありませんか?また、電車で座っている周りの人たちを観察してみてください。多くの人が、腹筋を使わずにお腹を丸め、猫背風に「Cの字」のような形の体勢で座っているのではないでしょうか。
もしかしたら、自分のことかもと感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回も前回に引き続き『アトピー性皮膚炎・慢性湿疹(身体の使い方見直しからの改善ステップ)』をテーマに、「アトピーや湿疹の原因の一つは血流と日常の身体の使い方にあった。改善に必要な新しい視点とは」について掘り下げていきます。
※今回のコラムは、前回と前々回の「【アトピー・慢性湿疹】身体の使い方見直しからの改善ステップ」のコラムもお読みいただくと、より一層理解が深まります。ぜひ合わせてご覧ください。
最初の前腕部分のかゆみのケースですが、数十年前であれば、前腕にアトピー性皮膚炎の症状が現れる患者さんは現在ほど多くはなく、この数年で非常に多く見られるようになりました。原因の一つとして、同じ体勢を長時間続けるPCやスマートフォンなどのデバイスの筋肉や血流に対する影響が考えられます。
もう一つ、電車で多くの人が腹筋を使わずにお腹を丸め、猫背風に「Cの字」のような体勢で座っているケースですが、これは腹筋が弱いとこうした座り方になりがちです。これに対して、腹筋がしっかりしていると悪い体勢を続けるのが難しくなり、自然と座り方が改善されます。
実は、アトピー性皮膚炎に悩む患者さんにおいて、これらのような普段の身体の使い方が原因と考えられることがよくあります。PCやスマートフォンを長時間使い、体に負担のかかる悪い座り方を続けることが、慢性湿疹やアトピー性皮膚炎の原因の一つとなる可能性があることを示唆しているのです。
肩甲骨周りの湿疹改善に効いた動作習慣の見直し~30代男性の体験談
過去に当院(山本ファミリア皮膚科 駒沢公園)に、肩甲骨周辺の湿疹が一向に改善しない患者さん(30代男性)が受診にお越しいただきました。ステロイド治療で体全体は良くなってきているものの、その部位だけはなかなか改善が進みません。全身をチェックしたところ、体に負担のかかる悪い動作習慣が原因だと診断しました。円背で肩甲骨が突出しており、深呼吸をしても「胸が痛い」と訴えていたのです。
そこで、体に負担のかかる動作習慣を改善することで症状が軽くなるかもしれないと考え、肩甲骨周辺の「湿疹が治りにくい理由」について本人に説明し、正しい身体の使い方を指導しました。普段の生活での身体の使い方に注意を払い、指導したエクササイズも実践していただき、ご本人の治したいという強い意思も後押しとなり、その後何度も診察にお越しいただきました。その結果、肩甲骨の突出が解消され、体型が改善されるとともに、周りの湿疹も改善に向かったのです。
なぜ、こんなことが起こったのでしょうか?
この患者さんの場合、長年にわたり呼吸が浅く、胸部の筋肉が硬直しているような状態でした。深呼吸をしようとすると、大胸筋や肋間筋に痛みを感じるほどでした。深呼吸を繰り返すことで、胸郭が広がり、胸部や背中の筋肉がほぐれます。逆に、呼吸が浅いと筋肉が硬化し、血行も悪くなります。そのため、深呼吸を繰り返し行うことで筋肉が柔らかくなり、血流が改善された結果、より強い薬を使用することなく症状が改善されたと考えられます。
乾燥肌と慢性的湿疹は皮膚科に相談することが大切~身体の使い方だけではない、様々な要因が重なり合っていることも
もし、深呼吸をすると胸に痛みを感じたり、腹部に横線ができたり、下半身がお尻から冷えて浮腫んだり、足先だけが非常に冷たく感じる場合で、さらに『肌が乾燥している』『かゆみが出ている』と感じるなら、皮膚科を受診したほうが良いでしょうか?
肌が乾燥して夜中にかゆみがひどくなり、かきむしってしまったり眠れなくなったりしている場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。乾燥やかゆみが軽いと感じて、受診するのをためらう必要はありません。日常生活に支障をきたすほどの乾燥やかゆみがあれば、遠慮せずに皮膚科で相談してください。
また今回のテーマでは、日常生活における体に負担のかからない身体の使い方の大切さをお伝えしてきましたが、原因の一つであり、慢性的な湿疹やアトピーの改善には、それだけでは十分ではないことをお伝えしておきます。アトピーや湿疹には、遺伝的な要因、自律神経の乱れ、アレルギー反応、さらには生活環境の影響など、さまざまな原因が複合的に関与しています。(身体の使い方だけでなく、さまざまな要因が重なり合っていることも多くあります。)そのため、まずは皮膚科で専門的な診断を受け、最適な治療方法、必要なお薬を処方してもらうことが重要です。また、別のコラムでこういったこともお話ししていきたいと思います。
日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインでは、「アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰り返す、掻痒(そうよう)のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー性素因を持つ」と定義されています。私の言葉で言えば、「元々乾燥肌で、慢性的に湿疹ができやすい状態なので、こまめなケアが必要」ということになります。このような症状がある場合、皮膚科を受診するのは全くおかしなことではありません。
まずはぜひ、ご自身のお体の状態をチェックしてみてください。
今日も「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」コラム(テーマ:【アトピー・慢性湿疹】身体の使い方見直しからの改善ステップ)をお読みいただきありがとうございました。 次回以降も引き続き、皆さんに情報をお届けしてまいります。
ご関心のある方は、ぜひ「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」へお越しください。
【山本ファミリア皮膚科 駒沢公園 周辺情報~駒沢オリンピック公園】
「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」は東急田園都市線の駒沢大学駅が最寄り駅です。
目黒区・世田谷区の駒沢大学駅、三軒茶屋駅、桜新町駅、用賀駅、または東急東横線の都立大学駅、学芸大学駅、自由が丘駅など、定期的に通院可能な近隣(主に世田谷区の駒沢・深沢・上馬・下馬・野沢・弦巻・新町、目黒区の東が丘・八雲・柿の木坂)にお住まいの方々を中心に、幅広い地域からご来院いただいています。
また、お隣(徒歩1分!)には、とても広くて自然豊かな『駒沢オリンピック公園』があります。たくさんの木々や鳥の鳴き声が響き、時には大きなイベントやスポーツ大会も開催されています。これから天気の良い日は、ジョギング・サイクリングコースやスケボーパーク、お子様用の公園や自転車チリリンコースがあり、夏休み期間中にはお子様用のジャブジャブ池でも楽しんでいただけます。また、駒沢公園内や周辺には、ひとやすみできるカフェもたくさんありますよ。山本ファミリア皮膚科 駒沢公園へご来院の際は、ぜひお立ち寄りください。