アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎(アトピーせいひふえん)とは、皮膚に炎症を引き起こし、かゆみや乾燥、赤みなどの症状が現れる慢性的な皮膚疾患です。この疾患は、遺伝的要因や環境要因が複雑に絡み合って発症します。
日本皮膚科学会によると、アトピー性皮膚炎は「増悪・寛解を繰り返す、瘙痒を伴う湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ(アトピー性皮膚炎診療ガイドラインより)」と定義されています。つまり、アトピー性皮膚炎の根本的な原因は皮膚の生理学的異常(乾燥やバリア機能の低下)であり、そこにさまざまな刺激やアレルギー反応が加わることで、症状が「良くなったり悪くなったり」する病気です。
このページでは、皮膚科専門医の視点から、患者様が適切に管理できるよう、アトピー性皮膚炎の症状、原因、日常生活での注意点、治療方法について詳しくご説明いたします。アトピー性皮膚炎でお悩みの方は、目黒区東が丘(駒沢大学駅近く)の「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」までご相談ください。
このような場合はご相談ください
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- かゆみがひどくなる
かゆみが強くなると、ひどくなる場合には夜もよく眠れなくなったり、日中の仕事や学業に支障をきたすことがあります。また、かゆみが強いためにイライラしてしまうこともあります。
- 症状が悪化している、汁が出る
皮膚の赤みや湿疹が広がったり、浸出液(湿疹から出る汁)が出るなど、症状が悪化している場合は、早めに受診することが重要です。
- 皮膚がひび割れたり、出血がある
皮膚が乾燥してひび割れ、出血を伴うようになると、痛みだけでなく、感染症のリスクも高まります。
- 皮膚の感染が疑われる
皮膚に膿が出たり、触ると熱感や痛みがある、発熱を伴うなど、感染症の症状が現れた場合は、すぐに受診する必要があります。
- 今の治療が効かない、または効果が薄い、いつも同じ部位に湿疹を繰り返し困っている
現在行っている治療が効かない、または症状が改善しない場合は、治療方法の見直しが必要です。
- かゆみがひどくなる
アトピー性皮膚炎の症状
アトピー性皮膚炎は、皮膚に炎症を引き起こす慢性的な疾患で、主にかゆみや赤みを伴う症状が特徴です。症状の程度や出現場所は個人差が大きく、子供から大人まで幅広い年齢層で見られます。
症状として「かゆみがある」「特徴的な湿疹と分布」「繰り返す」という3つの特徴があげられます。「いつも同じ部位にばかり繰り返す」ことが多く、またその部位は、患者様によって異なることも特徴です。赤みのある湿疹、プツプツと盛り上がりのある湿疹、ジクジクと水分の多い湿疹、ゴツゴツしたしこりのような湿疹がよく見られ、掻くことによって皮膚が厚くゴワゴワした状態になったり、かさぶたができたりします。また、湿疹ができやすい部位に特徴があり、個人差がありますが、顔、耳や首、脇の下やひじの内・外側、膝の表・裏側などによく見られます。
以下に、アトピー性皮膚炎の代表的な症状を紹介します。
①かゆみ
アトピー性皮膚炎の最も特徴的な症状は強いかゆみです。かゆみは日常生活に支障をきたすことが多く、掻いてしまうことで皮膚の状態が悪化します。
②赤み・炎症
皮膚に赤い斑点や発疹が現れ、時には膿を伴うこともあります。炎症が進行すると、皮膚が乾燥してひび割れることもあります。
③乾燥肌
皮膚が乾燥し、かさつきやひび割れが見られることがあります。乾燥がひどくなると、皮膚がかゆみや痛みを引き起こし、さらに炎症が悪化することもあります。
④湿疹
初期段階では小さな赤い湿疹が現れ、時間と共に広がることがあります。湿疹は特に顔、首、肘、膝の裏などに見られやすいです。
⑤皮膚の厚み
長期間続くかゆみや掻きむしりによって、皮膚が厚くなり、硬くなることがあります。これを「苔癬化(たいせんか)」と呼びます。
アトピー性皮膚炎でお悩みの方は、目黒区東が丘(駒沢大学駅近く)の「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」までご相談ください。
アトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎は、「体質的な要因」と「環境的な要因」が重なることによって発症します。これらの要因がどのように症状を引き起こすかを理解することが、予防や治療において重要です。
体質的な要因
アトピー性皮膚炎の体質的な要因には、主に以下のものがあります。
アトピー素因
遺伝的にアレルギー反応を起こしやすい体質が引き継がれると、アトピー性皮膚炎を発症しやすくなります。家族にアトピー性皮膚炎や喘息、アレルギー性鼻炎を持つ人が多い場合、発症リスクが高くなります。
皮膚のバリア機能の低下
皮膚には、外部の刺激や細菌から体を守る「バリア機能」があります。アトピー性皮膚炎の人は、このバリア機能が弱まり、角層の保湿成分や脂質が減少しています。そのため、皮膚が乾燥しやすく、アレルゲンや外部刺激が侵入しやすくなり、炎症やかゆみを引き起こします。
免疫機能の異常
アトピー性皮膚炎の人は免疫システムが過剰に反応し、外部刺激に過敏に反応することがあります。この過剰反応が炎症を引き起こします。
環境的な要因
アトピー性皮膚炎の症状は、外部からの刺激やアレルゲンなどの環境的な要因にも大きく影響されます。主な環境要因は次の通りです。
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アレルゲン
花粉やダニ、ペットの毛、カビなどのアレルゲンが皮膚に触れることで、症状が悪化します。これらが免疫反応を引き起こし、皮膚に炎症をもたらします。
外部刺激
化学物質や香料を含む化粧品、洗剤、シャンプーなどが皮膚に刺激を与え、症状を悪化させることがあります。また、温度や湿度の急激な変化も皮膚を乾燥させ、炎症を引き起こすことがあります。
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ストレス
精神的なストレスがアトピー性皮膚炎の症状を悪化させることがあります。ストレスが免疫反応を過剰にし、炎症を引き起こします。
気候・気温の変化
冬の乾燥した空気や夏の湿度の高い環境も症状に影響を与えます。乾燥や湿度の変化は皮膚のバリア機能を弱め、症状を引き起こしやすくなります。
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症状が現れるメカニズム
アトピー性皮膚炎の症状は、体質的な要因と環境的な要因が重なり合うことで発症します。具体的な流れは以下の通りです。
皮膚のバリア機能が弱まる
バリア機能が低下した皮膚では、外部の刺激やアレルゲンが容易に侵入します。
アレルゲンの侵入
皮膚にアレルゲンが侵入すると、免疫システムが反応し、ヒスタミンという物質が分泌され、炎症を引き起こします。
かゆみと搔きむしり
強いかゆみを感じると、掻いてしまうことがありますが、掻くことで皮膚のバリア機能がさらに弱まり、症状が悪化する悪循環が生じます。この結果、少しの刺激でもかゆみが生じやすくなります。
アトピー性皮膚炎は多因子性の病気であり、個人差があります。症状や発症の原因は人それぞれ異なるため、適切な治療が必要です。アトピー性皮膚炎でお悩みの方は、目黒区東が丘(駒沢大学駅近く)の「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」までご相談ください。
(画像提供:第一三共ヘルスケア 「くすりと健康の情報局」より)
アトピー性皮膚炎の治療方法
アトピー性皮膚炎の治療は、症状を軽減し、再発を防ぐことを目的に行われます。治療法は、患者一人一人の状態や症状に合わせて選ばれますが、主に以下の方法があります。
治療の3大ポイント
治療の基本となる3つのポイントは、「薬物療法」「スキンケア」「悪化因子への対策」です。これらを組み合わせることで、症状の改善と再発防止が期待できます。
1. 薬物療法
薬物療法の目標は、「今ある症状を抑え、掻いて悪化する悪循環を止める」ことです。現在、多くの新しい治療薬が開発され、選択肢が増えましたが、依然として「ステロイド外用薬」が治療の基本です。
ステロイド外用薬の使用においては、「正しい使い方」や「悪化因子への対策」を学ぶことが非常に重要です。これらを守ることで、驚くほど改善し、ほとんどアトピー症状が出なくなる患者様も少なくありません。ステロイドは非常に効果的ですが、長期間使い続けることで皮膚が薄くなる副作用があるため、「プロトピック(タクロリムス軟膏)」や「コレクチム(デルゴシチニブ)」など、他の外用薬や保湿剤と上手に使い分け、副作用を避けることが大切です。
当院では、外用薬の使い分けについて丁寧に説明していますので、ぜひご相談ください。
2. スキンケア
アトピー性皮膚炎では皮膚の乾燥が症状を悪化させるため、保湿が非常に重要です。適切なスキンケアにより皮膚のバリア機能を強化し、外部の刺激やアレルゲンが侵入するのを防ぎます。保湿剤を適切に使用することで、症状の改善が期待できます。
クリームやローション
保湿剤としては、クリームやローションが一般的に使用されます。医師の指導のもと、症状に合わせた保湿剤を選んで使用することが大切です。
入浴後のケア
入浴後は皮膚が乾燥しやすいため、保湿剤を速やかに塗布することが推奨されます。
3. 悪化因子への対策
アトピー性皮膚炎は悪化因子が関与することが多いため、**「悪化因子への対策」**が非常に重要です。湿疹が繰り返し発生する部位に注目し、治療に役立てることができます。例えば、皮膚が特に弱い部位やアレルゲンが触れやすい部位を知っておくことで、同じ薬を使用していても改善が早くなることがあります。
日常生活での実践は患者様自身にお願いすることもありますが、症状が繰り返すことに悩んでいる方は、ぜひ当院にご相談ください。
その他の治療法
4. 保湿療法
保湿療法は、皮膚の乾燥を防ぎ、バリア機能を強化するために重要な治療法です。保湿剤を適切に使用することで、症状の悪化を防ぐことができます。
5. 光線療法(UV療法)
光線療法は、特に重症のアトピー性皮膚炎に対して有効な治療法です。紫外線を使って免疫反応を調整し、炎症を抑える方法です。医師の監督の下で行われ、症状が改善することがあります。
体質改善へのアプローチ(漢方薬の使用)
当院では、アトピー性皮膚炎の湿疹が繰り返しにくい体質への改善にも力を入れており、漢方薬(保険適用)を積極的に使用しています。西洋医学は主に症状を抑えることに重点を置いていますが、漢方は「体全体のバランスを整える」ことに焦点を当てています。
皮膚は内臓の鏡と言われ、胃腸虚弱や便秘、肩こり、冷え症、自律神経障害など、内面から健康を整えることがアトピーの完治に向けて重要です。これらの症状に対して漢方を取り入れることで、体質改善が期待できます。
アトピー性皮膚炎でお悩みの方は、目黒区東が丘(駒沢大学駅近く)の『山本ファミリア皮膚科 駒沢公園』まで、お気軽にご相談ください。
当院からの、アトピー性皮膚炎治療に関する、大切なメッセージ
繰り返しになる部分もありますが、アトピー性皮膚炎の治療に関して大切なことを、下記にまとめさせていただきました。
アトピー性皮膚炎治療の3大ポイントは、「薬物療法」「スキンケア」「悪化因子への対策」です。
「薬物療法」の目的は、現在の症状を抑え、掻くことによって悪化する悪循環を止めることです。
近年、さまざまな新しい治療薬が開発され、治療の選択肢が増えたことで、より効果的な治療が可能となっていますが、依然として「ステロイド外用薬」が治療の基本であることに変わりはありません。たとえ薬がなかなか効かない場合でも、「ステロイド外用薬の正しい使い方」や「日常生活での悪化因子への対策」を学ぶことで、大きな改善が見られることが多いです。実際、当院を受診された患者様の中には、これらを実践することでアトピー症状がほとんど出なくなる方も少なくありません。
ただし、ステロイド外用薬は非常に効果的である一方、長期間使用すると皮膚が薄くなる副作用があるため、ステロイド以外の治療薬や保湿剤を上手に使い分けることが重要です。具体的には、「プロトピック(タクロリムス軟膏)」や「コレクチム(デルゴシチニブ)」、「モイゼルト(ジファミラスト)」、「ブイタマー(タピナロフ)」などが有効です。これらの外用薬と保湿剤をバランスよく使い分けることで、副作用を最小限に抑えることができます。当院では、これらの使い分けについて丁寧に説明していますので、ぜひご相談ください。
また、一般的な皮膚科診療では難しい「悪化因子への対策」についても、当院では積極的に取り組んでいます。湿疹が繰り返し発生する部位には特徴があり、それを知っていることで、同じ薬を使用していても治りが早くなることが少なくありません。もちろん、日常生活での実践は患者様に行っていただく必要がありますが、「症状が出たら薬を使う」の繰り返しに疑問を感じている方は、ぜひ一度当院「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」にご相談ください。
さらに、当院では「アトピーの湿疹が生じやすい体質」にも注目し、体質改善のために漢方薬を積極的に使用しています。西洋医学は主に症状を抑えることに重点を置いていますが、漢方薬は「体全体のバランスを整える」ことを重視しています。皮膚は内臓の鏡と言われるように、胃腸虚弱、便秘、肩こり、冷え症、自律神経の問題など、体内の不調が皮膚に影響を与えることが多いため、内面から健康を整えることがアトピー完治へのカギとなります。アトピーの体質改善のために漢方薬を試してみたい方は、目黒区東が丘(駒沢大学駅近く)の「山本ファミリア皮膚科 駒沢公園」へご相談ください。